
シングルマザーになるなら、貯金はいくらあれば安心?
離婚を考え始めたとき、私が気になったのは、これから子どもたちと生活していくために、いったいいくらお金が必要なのかということでした。
100万円?
200万円?
それとも、もっと必要?
でも、実際に離婚の準備をしてみると、「貯金が○万円あれば安心」という答えはありませんでした。
なぜなら、必要なお金は家庭によって大きく違うからです。
住む場所によって家賃は変わりますし、今の仕事を続けられるのか、転職するのか、子どもにどのくらいお金がかかるのかによっても変わります。
さらに、別居する場合には婚姻費用、離婚後には児童手当や児童扶養手当など、利用できる制度もあります。
だからこそ、離婚前に考えたいのは、単純に「貯金をいくら増やすか」だけではありません。
「離婚直後にいくら必要なのか」
「毎月いくらあれば生活できるのか」
「毎月いくらのお金が入ってくるのか」
この3つを具体的にしておくことです。
この記事では、シングルマザーになる前に考えておきたいお金について、私自身が離婚準備をした経験も交えながらまとめます。
- シングルマザーになるなら貯金はいくら必要?
- 「必要な貯金額」は3つに分けて考える
- 離婚前に「毎月いくら必要か」を計算する
- 住むエリアは生活費にかなり影響するためよく考える
- 入ってくるお金①別居するなら、婚姻費用を忘れずに
- 入ってくるお金②児童手当は「誰が受け取るのか」を確認する
- 入ってくるお金③離婚後にもらえる手当も調べておく
- 入ってくるお金④養育費も「収入」として考える
- 転職するなら「収入の空白」に注意
- 離婚前に確認しておきたい「お金の一覧」
- 「必要な貯金額」を自分で計算してみる
- 貯金が少ないからといって、すぐに諦めなくていい
- 私が離婚前に「貯金額」以上に大事だと思ったこと
- まとめ|シングルマザーになる前に「必要なお金」を具体的にする
シングルマザーになるなら貯金はいくら必要?
結論からいうと、シングルマザーになるために「最低○万円必要」という決まった金額はありません。
必要な貯金額は、次のような条件によって変わります。
- 子どもの人数・年齢
- 現在の収入
- 離婚後も今の仕事を続けられるか
- 転職が必要か
- 実家に戻れるか
- 新しい住まいを借りる必要があるか
- 車が必要か
- 毎月の生活費はいくらか
- 離婚後に利用できる手当や支援
- 別居する場合の婚姻費用
- 離婚後の養育費
そのため、
「100万円あれば大丈夫」
「300万円あれば安心」
と、貯金額だけで判断するのは難しいです。
むしろ大切なのは、
「自分の場合、離婚直後にいくら必要で、毎月いくら不足する可能性があるのか」
を計算することです。
「必要な貯金額」は3つに分けて考える
「いくら貯金が必要?」と考えるとき、一つの金額だけを見るのではなく、次の3つに分けて考えるのがおすすめです。
① 離婚直後に必要になるお金
まずは、引っ越しなどでまとまって必要になるお金です。
例えば、
- 敷金・礼金などの初期費用
- 引っ越し費用
- 家具・家電
- 当面の生活用品
- 子どもの学校・保育園関連費用
- 車関係の費用
などです。
今の家を出て新しい生活を始める場合、毎月の生活費とは別に、まとまったお金が必要になる可能性があります。
② 毎月の生活費
次に、「毎月いくらあれば生活できるのか」を計算します。
例えば、
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 通信費
- 保険料
- 車関係
- 保育園・学校
- 習い事
- 日用品
- 医療費
などです。
③ 予想外の出費に備えるお金
子どもがいると、予定外の出費もあります。
病気やケガ、家電の故障、学校関係の急な支出などです。
そのため、すべての貯金を引っ越しや生活費に使い切らないことも大切です。
離婚前に「毎月いくら必要か」を計算する
貯金額を考える前に、まずは毎月の生活費を書き出してみましょう。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 家賃 | ○円 |
| 食費 | ○円 |
| 水道光熱費 | ○円 |
| 通信費 | ○円 |
| 保険料 | ○円 |
| 車関係 | ○円 |
| 子ども関係 | ○円 |
| 日用品 | ○円 |
| 医療費 | ○円 |
| その他 | ○円 |
| 合計 | ○円 |
ここまで書き出すと、「私は毎月最低でも○万円必要なんだ」ということが分かります。
次に、自分の収入を書きます。
手取り収入-毎月の生活費=毎月の収支
例えば、毎月5万円足りないなら、年間では60万円不足します。
逆に、毎月の収入だけで生活できるのであれば、貯金は変動せずそのまま手元に残ります。これは、引っ越し費用や急な出費、収入が減ったときの備えとして心の拠り所になります。
こうやって考えると、「貯金がいくら必要か」がかなり具体的になってきます。
住むエリアは生活費にかなり影響するためよく考える
シングルマザーになるとき、毎月の支出で大きな割合を占めやすいのが住居費です。
だからこそ、離婚前から「どこに住むのか」を考えておきたいところです。
家賃は「収入の3分の1」にこだわらない
「家賃は収入の3分の1程度」という目安を聞くことがあります。
ただし、これはあくまで一つの目安です。
子どもがいる家庭では、家賃以外にも食費、教育費、保険、車など、さまざまな支出があります。
そのため、「収入の3分の1までなら大丈夫」ではなく、離婚後の家計全体を見て家賃を決めることが大切です。

毎月かかる大きなお金なので、できるだけおさえたい部分です
新居は「絶対に譲れない条件」を決める
家探しでは、条件を増やすほど家賃も上がりやすくなります。
そこで、「絶対に譲れない条件」と「できれば欲しい条件」に分けてみましょう。
- 子どもの学校・保育園への通いやすさ
- 安全面
- 通勤時間
- 駅からの距離
- 家賃
- 間取り
- 買い物のしやすさ
- 病院へのアクセス
特に子どもがいる場合は、家賃の安さだけで住む場所を決めないことも大切です。
戻れるなら、実家に戻るのも選択肢
もし実家に戻れるのであれば、一時的にでも実家で生活する方法もあります。
家賃や引っ越し後の生活費を抑えられるため、貯金が少ない場合には大きな助けになります。
ただし、ここで考えておきたいのが子どもの学校や保育園です。
「とりあえず実家に戻る」ことで、その後また別の地域に引っ越すことになれば、子どもが転校・転園をすることになるかもしれません。
実家に戻れる場合でも、「一時的に実家に戻るのか」「そのまま実家の近くで生活するのか」を考えてから動くことをおすすめします。
入ってくるお金①別居するなら、婚姻費用を忘れずに
離婚前に別居する場合、忘れずに確認しておきたいのが「婚姻費用」です。
婚姻費用とは、夫婦や子どもの生活を維持するために必要な費用のことです。
別居していても、離婚が成立するまでは夫婦なので、夫婦それぞれの収入などに応じて婚姻費用を分担することがあります。
ここで、私が離婚準備をしていて「もっと早く知っておきたかった」と思ったことがあります。
それは、婚姻費用は、別居したら自動的にもらえるわけではないということです。
婚姻費用について話し合いがまとまらず、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる場合には、いつ婚姻費用を請求したのかという「請求時点」が重要になることがあります。
過去の分まで当然にさかのぼって受け取れるとは限らないため、「別居してから、落ち着いたら請求しよう」と後回しにするのはおすすめできません。
そのため、別居を考えているのであれば、別居を切り出すタイミングで、婚姻費用として毎月いくら支払ってほしいのかまで具体的に伝えることも、一つの方法です。

私は離婚の話し合いを弁護士さんに依頼したのですが、別居を切り出すメールを元夫に送る際に婚姻費用請求も必ず入れるように言われました。学んだ今、請求タイミングはとにかく早い方が良いからだとわかります!
話し合いで決められない場合は、家庭裁判所の調停を利用することもできます。
家庭裁判所で婚姻費用を決める場合には、「婚姻費用算定表」が参考にされることが多く、夫婦の収入や子どもの人数・年齢などに応じて、おおよその金額を確認できます。
実際の算定表は裁判所のホームページで確認できます。裁判所|養育費・婚姻費用算定表はこちら
ただし、算定表の金額がそのまま必ず支払われるというわけではなく、個々の事情によって変わることがあります。
だからこそ、「別居してから考えればいい」ではなく、別居する前から婚姻費用について調べておくことが大切です。
入ってくるお金②児童手当は「誰が受け取るのか」を確認する
離婚や別居を考えたとき、児童手当についても確認しておきましょう。
例えば、現在は夫の口座に児童手当が振り込まれている場合、「離婚したら自動的に自分に変わる」とは限りません。
2024年10月の児童手当法改正により、所得制限が撤廃されました。
現在は「どちらの所得が高いか(所得制限にかかるか)」を気にする必要はなくなりましたが、「原則として夫婦のうち生計を維持する程度の高い方(収入が多い方)が受給者になる」というルール自体は継続しています。
現代だとどうしても男性側の所得が多く、夫が児童手当の受取人になっているケースが多いです。そして、一度決まった受取人を変えることは基本的には難しい現状です。
一方、離婚協議中などで夫婦が別居し、生計を同じくしていない場合には、子どもと同居している親に児童手当が支給される「同居優先」の取り扱いがあります。
単に「別居した」だけでは同居優先が適用されないケースがあります。
自治体に認めてもらうには、弁護士からの受任通知の控え、内容証明郵便の控え、家庭裁判所の事件受付証明書(調停中など)、離婚協議申入書などの「離婚に向けて協議・手続き中である客観的な証明」が必要になります。
私自身、別居について役所に相談に行った際、子どもと一緒に転居する私に、児童手当の受給者を変更するかどうか確認されました。

私自身、別居の手続きを役所に相談した際、子どもと同居する私に受給者を変更できるか確認されました。私の場合は事前に自分の口座で受け取れるよう手続きしていたためスムーズでしたが、別居のタイミングで受給者の扱いを確認しておく重要性を実感しました!
そのため、別居を考えているなら、
「子どもと一緒に転居した場合、児童手当は自分が受給できるのか」
「受給者を変更するには、どんな手続きや書類が必要なのか」
を、早めにお住まいの自治体に確認しておくことをおすすめします。
こども家庭庁でも、離婚協議中の別居の場合の児童手当について、必要書類などを含めたQ&Aが公開されています。
こども家庭庁|児童手当Q&A(配偶者と別居されている場合の取扱いについて)
入ってくるお金③離婚後にもらえる手当も調べておく
離婚後は、ひとり親家庭を対象とした制度を利用できる場合があります。
代表的なのが児童扶養手当です。
ただし、誰でも満額を受け取れるわけではありません。
所得などによって、全部支給・一部支給・支給停止となる場合があります。
また、自治体によって独自の制度が用意されていることもあります。
東京都だと、児童育成手当
そのため、「離婚したら○万円もらえる」と考えるのではなく、「自分の住んでいる自治体で、自分が利用できる制度は何か」を確認しておくことが大切です。
入ってくるお金④養育費も「収入」として考える
離婚後の家計を考えるとき、養育費についても確認しておきましょう。
ただし、「養育費をもらえる予定だから、貯金は少なくても大丈夫」と考えるのはおすすめしません。
実際にいつから支払われるのか、毎月きちんと支払われるのかは、相手との取り決めやその後の状況によって変わるからです。
そのため、離婚前には、
- 毎月いくらにするか
- いつ支払うか
- 何歳まで支払うか
- 振込先をどうするか
- 支払いが滞った場合にどうするか
などを、できるだけ具体的に決めておきましょう。
そして、養育費は「もらえる予定のお金」として考えつつ、養育費が入らなくても生活できるだけの家計を目指すことが安心につながります。
転職するなら「収入の空白」に注意
離婚や別居をきっかけに、転職が必要になることもあります。
例えば、
- 実家の近くへ引っ越す
- 子どもの学校・保育園に合わせて住む場所を変える
- 通勤時間が長くなる
- 子どもの送迎が必要になる
などです。
「仕事は見つかるだろう」と思っていても、希望する勤務時間・勤務地・給与・子どもの送迎条件をすべて満たす仕事がすぐに見つかるとは限りません。
だからこそ、転職先が決まるまでの生活費も考えておきましょう。
また、保育園を利用している場合は、転職によって就労証明書などの書類がどうなるのかについても、早めに自治体や保育園へ確認しておくと安心です。
離婚前に確認しておきたい「お金の一覧」
ここまでの内容をまとめると、離婚前に確認しておきたいのは次のようなお金です。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 今ある貯金 | 離婚直後にいくら使えるか |
| 引っ越し費用 | 初期費用・引っ越し代・家具家電など |
| 毎月の生活費 | 生活に最低いくら必要か |
| 婚姻費用 | 別居から離婚までの生活費をどうするか |
| 児童手当 | 誰が受給するのか・必要な手続き |
| 児童扶養手当 | 自分が対象になるか |
| その他の支援 | 自治体独自の制度があるか |
| 給与 | 離婚後も現在の仕事を続けられるか |
| 転職期間 | 仕事が決まるまでの生活費 |
| 養育費 | 金額・支払方法・期間など |
| 予備費 | 急な出費にいくら残すか |
「必要な貯金額」を自分で計算してみる
ここまで整理したら、最後に自分の場合の必要額を計算してみましょう。
考え方はシンプルです。
離婚直後に必要なまとまったお金
+
毎月不足する金額×必要な月数
+
予備費
これを一度計算してみます。
例えば、
- 引っ越し・初期費用:50万円
- 家具・家電など:20万円
- 毎月の不足額:3万円
- 6か月分の不足:18万円
- 予備費:30万円
なら、
50万円+20万円+18万円+30万円=118万円
となります。
これはあくまで計算方法の一例で、実際に必要な金額は家庭によって違います。
大切なのは、
「シングルマザーなら100万円必要」
という数字をそのまま当てはめることではありません。
自分の生活に合わせて、
「私はこれくらい必要」
という数字を出してみることです。
貯金が少ないからといって、すぐに諦めなくていい
「貯金が少ないから、離婚できない」と思ってしまうこともあるかもしれません。
もちろん、離婚後の生活を安定させるために、お金を準備しておくことは大切です。
でも、必要なのは貯金だけではありません。
家賃はいくらなのか。
毎月の生活費はいくらなのか。
仕事は続けられるのか。
別居するなら婚姻費用はどうするのか。
児童手当はどうなるのか。
児童扶養手当など利用できる制度はあるのか。
養育費はどうするのか。
こうしたことを一つずつ整理していくと、「いくら貯めればいいのか分からない」という状態から、「自分の場合は、これくらい準備すればいい」という状態に変えていくことができます。
私が離婚前に「貯金額」以上に大事だと思ったこと
私が離婚の準備をしていて感じたのは、単純に「貯金を増やす」だけでは不十分だということでした。
もちろん、貯金は多いほうが安心です。
でも、それ以上に大切だったのが、離婚後の生活を具体的にイメージしておくことでした。
どこに住むのか。
毎月いくら必要なのか。
仕事はどうするのか。
子どもにかかるお金はどれくらいなのか。
別居中の生活費はどうするのか。
離婚後に利用できる制度は何があるのか。
こうしたことを一つずつ整理していくと、最初は漠然としていた「離婚後のお金が不安」という気持ちが、少しずつ具体的な数字に変わっていきました。
だから私は、
「シングルマザーになるなら貯金はいくら必要?」
ではなく、
「自分の場合、離婚前後にいくら必要で、毎月いくらあれば生活できる?」
と考えることが大切だと思っています。
まとめ|シングルマザーになる前に「必要なお金」を具体的にする
シングルマザーになるために必要な貯金額は、家庭によって違います。
だからこそ、「○万円貯めれば大丈夫」と考えるのではなく、自分の場合に必要なお金を一つずつ整理してみましょう。
- 離婚後の住まいと家賃を考える
- 引っ越しなどの初期費用を計算する
- 毎月の生活費を計算する
- 別居する場合は婚姻費用を確認する
- 児童手当の受給者や手続きを確認する
- 児童扶養手当など利用できる制度を調べる
- 養育費について取り決める
- 仕事を続けられるか、転職が必要か考える
- 転職する場合は収入の空白期間を考える
- 急な出費に備えて予備費を残す
離婚は、離婚届を提出した瞬間からすべてが変わるわけではありません。
むしろ、その後の生活をどうするのかを、離婚する前から少しずつ準備しておくことが大切です。
「貯金がいくらあれば大丈夫?」と考えるだけでなく、
住まい・仕事・毎月の生活費・婚姻費用・養育費・受け取れるお金
まで、一つずつ整理してみてください。
そうすると、離婚後のお金に対する不安も、少しずつ「準備すべきこと」に変えていけると思います。
